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Ki-no-ko fungi
20 février 2019

Révision des Bolets du Sud de l'Archipel by Haruki Takahashi

IH1 pl 70 Strobilomyces Austroboletus

IH1 pl 71 Austroboletus-Boletellus

IH1 pl 72 Boletellus-Heimiella

IH1 pl 73 Bolets

IH1 pl 76

IH2 pl 77

IH2 pl 78 (1)

Agaric flora in Southwestern Islands of Japan
by Haruki Takahashi
 イグチ属 Boletus Fr., 
Syst. mycol. (Lundae) 1: 385 (1821)
 
  Espèce type du genre 基準種:Boletus edulis Bull., Herbier de la France 2: tab. 60 (1782) [1781-82]
 Sporée olive foncé à brun olive sur le frais; les basidiospores sont généralement longues ( jusqu'à 18 μm de long sur 5,5 μm de large), ou courtes chez quelques espèces, généralement lisses (en microscopie optique).
胞子紋は少なくとも新鮮なとき暗オリーブ~オリ-ブ褐色;
担子胞子は通常長形 (長さ18μmまたは幅 5.5μmを越えることは稀), 一部の種類は短形, 通常平滑 (光学顕微鏡において). 
Le revêtement du stipe présente un motif de maillage ou est densément duveteux fin (floculeux), squameuse, fibreuse, rarement lisse, ne présente pas de piqûres glandulaires ou verticale grossière écailleuse, et n'a pas de revêtement. Pas de pseudomycélie claire. La chair est blanche ou jaune, parfois partiellement rouge, souvent bleuâtre au contact de l'air, rarement rougissante, le goût est généralement doux, rarement amer. Boucles absentes dans tous les mycéliums. Principalement associé au hêtre, au pin et au bouleau.

柄の表面は網目模様を表すかまたは密に細かい綿毛状(flocculose), 小鱗片状, 繊維状, 稀に 平滑, 腺状の細点または直立した粗い鱗片を欠き, 被膜を持たず, 明瞭な偽菌核はない. 肉は 白色または黄色, 時に部分的に赤色, 空気に触れるとしばしば青変し, 稀に赤変性, 味は一般 に温和, 稀に苦みがある. 全ての菌糸はクランプを欠く. 主にブナ科, マツ科, およびカバノキ科 と関係する. 
 分布及び既知種: 世界的, 特に北米及び東アジアの温帯~亜熱帯地域に分布が集中し,  既知種は属の分類概念によって大きく異なるが, 世界に約300種以上知られている. 
  節, 亜節の概念および日本産既知種
アワタケ節 Sect.1.Subtomentosi Fries, Epicr. Syst. Mycol. 412. (1838).
 基準種: Boletus subtomentosus L., Sp. Plantarum 2: 1178 (1753).
 子実体は小~中型. 傘の表面は一般にビロ─ド状~ややビロ-ド状, 綿毛状,粉状, または粒状で, 粘性を欠く.子実層托 (管孔)は直生, 上生, またはやや垂生~垂生し, 柄の周囲において急激に陥入することは稀, 孔口は一般に成熟すると中~大型 (径 1 mm 以上) で多角形になり,通常管孔と同色, 稀に赤色を帯びる.柄は通常下半部が著しく太まることはなく, 表面は密に細かい羊毛状, フケ状または繊維状で, 時に粗大で不完全な網目模様を表すかもしくはやや垂生した管孔が柄の頂部の狭い範囲に網目状を成し, 広範囲にわたり繊細な網目模様を形成することはない. 
  節内の分類概念は Smith and Thiers (1971) を参考にした.
 亜節の検索表
1.傘の表面は赤色~暗赤色. 子実層托は一般に柄の周囲において急激に陥入し,離生なす. 孔口は中~小型 (径 0.5-1 mm). 
子実層托実質はイグチ亜型.・・・・・・・ コウジタケ亜節 Subsect. Fraterni
1.傘の表面は上記以外の色を呈する. 子実層托は一般に柄に直生またはやや垂生する. 孔口は一般に成熟すると中~大型(径1mm 以上). 子実層托実質は一般にキヒダタケ亜型.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
  2.子実体はツチグリまたはニセショウロの子実体から発生する.・・ Subsect. Parasitici  (= タマノリイグチ属 Pseudoboletus ut genus)
  2.外生菌根性または非菌根性で子実体は地上または腐朽材上から発生. ・・・・・・・・・ 
3.肉および管孔は傷を受けたとき不変色または褐変, 黄変し, 青変性はない.・・クロコウジタケ亜節 Subsect. Versicolores
.肉および管孔は傷を受けると多少とも青変する. ・・・・アワタケ亜節 Subsect. Subtomentosi 
  
 アワタケ亜節 Subsect. Subtomentosi
  種の検索表
1.担子胞子は卵形~短楕円形.肉および管孔は傷を受けたとき不変色または弱く青変する.傘の表面は鈍いピンク色~くすんだ帯オリ─ブ淡黄褐色,最初平滑でやや粘性を表し,   成熟すると圧着した繊維状細鱗片に被われる.柄の表面は黄色~淡黄色,紅色の細鱗片が柄の上部を中心に散在する.
孔口は濃赤色.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
1.担子胞子は紡錘形で一方の側面においてゆるやかに陥入する (イグチ型). ・・・  3
.子実層托実質はキヒダタケ亜型. 担子胞子は 9.7-14.3 x 4.5-7.2 μm (McNabb 1968). ナンキョクブナ属の樹下に発生.ニュ─ジ─ランド産.・・・・・・・・・・・・・Xerocomus macrobbii McNabb, N.Z. Jl Bot. 6(2): 147 (1968)
2.子実層托実質はイグチ亜型. 担子胞子は 8.5-10.5 x 5-6 μm (Hongo 1967). 主にブナ科 の樹下に発生. ・・ ツブエノウラベニイグチ Boletus granulopunctatus
3.傘の表面は帯赤褐色または周縁部のみ赤色を帯びたオリ-ブ褐色~淡褐色で,ひび割れて露出した肉は赤色を帯びる. 柄の表面は帯赤黄褐色または暗赤色で, 赤色の繊維紋を表し,しばしば細かい鱗片状のササクレに被われる. 肉および管孔は傷を受けると弱く青変する・・ キッコウアワタケ Boletus chrysenteron
3.傘の表面は淡褐色,黄褐色,オリ─ブ褐色,暗褐色などを呈し,ひび割れて露出した肉が赤色を帯びることはない.・ 4
4.傘の表面は粒状でざらつき,淡黄褐色,傷を受けた部分は黒変し,老成すると褐色の鱗片状を呈する. 肉は空気に触れると青変したのち赤変し,最後は黒くなる. 担子胞子の大きさは 7.5-10.5 x 3.5-4 μm または 9.5-12.5 x 3-5 μm (Hongo, 1966 b).・・ クロアザアワタケ Boletus nigromaculatus 
4.上記のような特徴を示さない. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
5.傘の表面はオリ-ブ色を帯びた黄褐色または褐色~茶褐色. ・・・・・・・・・ 6
5.傘の表面は暗褐色. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  7
  6.傘の表面は褐色~茶褐色を呈し,アンモニア水により速やかに青緑色に変わる.柄の表面は不完全な粗い網目模様を表す・・・シロワタアワタケ(?)Boletus spadiceus 
  6.傘の表面はオリ-ブ色を帯びた黄褐色を呈し,アンモニア水により赤褐色に変わるかまたは不変色.柄の表面は網目模様を欠く.・・アワタケBoletus subtomentosus 
7.傘の表皮組織の菌糸はKOH溶液により錆褐色に着色する被覆物で被われる. 柄の表面 は黄色地に帯赤色の粉状を呈する. 北米産. ・ Boletus subparvulus A.H. Sm. & Thiers, (1971)
7.傘の表皮組織の菌糸は上記のような被覆物を欠く. 柄の表面は暗褐色. ・・・ミヤマアワタケ Boletus obscurebrunneus

 クロアザアワタケ Boletus nigromaculatus (Hongo) Har. Takah., MSJ News, Nippon  Kingakkai Nyu-su 1992-2(no. 19): 38 (1992). Basionym: Xerocomus nigromaculatus Hongo,  J. Jap. Bot. 41: 170 (1966): ブナ科を中心とする林内地上に発生. 分布:日本 (本州, 四国, 九 州). 
 ミヤマアワタケ Boletus obscurebrunneus (Hongo) Har. Takah., MSJ News, Nippon  Kingakkai Nyu-su 1992-2(no. 19): 38 (1992). Basionym: Xerocomus obscurebrunneus Hongo,  J. Jap. Bot. 54: 301 (1979).
Current Name: Imleria obscurebrunnea (Hongo)Xue T. Zhu & Zhu L. Yang, Fungal  Diversity 191: 90 (2014).
  ブナ・ミズナラ林内に発生. 分布:日本(新潟,鳥取). 
  シロワタアワタケ(青木実新称:日本きのこ図版 No.949) (?) Boletus spadiceus Schaeff.,  Epicr. syst. mycol. (Upsaliae): 415 (1838): 本種は青木実氏によって非公式に記載された以外,  確実な標本に基づく正式な発表はまだされていない. 担子胞子は 9-12(-13) x 4-5μm (青木 実:日本きのこ図版 No.949), (9-)11-14 x 4.5-5 μm (Smith and Thiers 1971). 広葉樹林内に 発生.分布:欧州,北米,中国(四川:Zang 1986), ?日本(埼玉県所沢市). 
 アワタケBoletus subtomentosus L., Sp. Plantarum 2: 1178 (1753): ブナ科を中心とする林 内地上に発生. 分布:北半球. 
  キッコウアワタケ Boletus chrysenteron Bull., Histoire des champignons: 328 (1791): 主 にブナ科およびマツ科の樹下に発生. 分布:北半球. 
 ツブエノウラベニイグチ Boletus granulopunctatus Hongo, J. Jap. Bot. 42: 27. (1967): 
帯赤色の孔口はアワタケ節として異質であるが, アワタケ型の子実体の類型は属内において 本節に最も近縁であることを示唆している.ブナ科を中心とする林内地上に発生. 分布:日本  (本州). 
 コウジタケ亜節 Subsect. Fraterni A.H. Sm. & Thiers, Boletes of Michigan 262. (1971).
  基準種: Boletus fraternus Peck,  Torrey Club Bull. 24: 145. (1897).
  種の検索表
1.担子胞子は 12-16 x 5-6.5μm(Smith and Thiers 1971). 子実体は中型 (傘は径 4-7 cm). 傘の表面は細かくひびわれ,血赤色~暗赤色. 柄の表面は黄色地に赤色の条紋を表す.  肉は空気に触れると徐々に青変する.・・・・コウジタケ Boletus fraternus 
1.担子胞子は上記より小型. ・・・・・・・・・・・・・・ 
2.子実体は中型 (傘は径 3.5-8 cm). 傘は鈍い赤褐色. 柄の表面は鈍いピンク色. 肉は空  気に触れると徐々に青変する.担子胞子は10-13 x 4.5-5 μm (Smith and Thiers 1971).  欧州,北米産. ・・・・Boletus rubellus Krombh., Nat. Abb. Beschr.: 4 (1836)
『Current Name: Hortiboletus rubellus (Krombh.) Simonini, Vizzini & Gelardi (2015)』
2.子実体は小型 (傘は径 1.2-3 cm). 傘は褐色~濃赤褐色で, しばしば帯褐暗赤色の小鱗  片状を成す. 柄の表面は頂部淡黄色,
下部帯紫紅色. 肉は空気に触れると速やかに強く青変する.担子胞子は 9-12.5(-13.5) x 4-5 μm (Hongo, 1984).・・ ヒメコウジタケ Boletus aokii
 
 コウジタケ Boletus fraternus Peck,  Torrey Club Bull. 24: 145. (1897). Misapplied  name: Boletus rubellus ss. auct. jpn. plur.: ブナ科の樹種を中心とする林内地上または公園, 庭 園, 芝生上などの人為的環境に好んで発生. 分布:北米,日本. 
 ヒメコウジタケ(青木実:日本きのこ図版 No.204, No.1105) Boletus aokii Hongo, Trans.  Mycol. Soc. Japan 25(3): 283 (1984).
Current Name: Parvixerocomus pseudoaokii G. Wu, Kuan Zhao & Zhu L. Yang, in Wu,  Zhao, Li, Zeng, Feng, Halling & Yang, Fungal Diversity: 10.1007/s13225-015-0322-0, [12]  (2015)  ブナ科の樹種を中心とする林内地上に発生. 分布:日本 (本州, 九州).
 
 クロコウジタケ亜節 (仮称) Subsect. Versicolores A.H. Sm. & Thiers, Boletes of  Michigan 228. (1971).
 基準種:Boletus illudens Peck, (1897).
  本亜節に所属する北米産 Boletus alutaceus var. alutaceus Morgan, in Peck (Smith &  Thiers 1971)は, 柄の肉が帯紫黄褐色に変わるのみで青変性はないとされている種類である が, 青木実氏により Boletus alutaceus Morgan, in Peckとして非公式に記載されたニセアワタ
ケ(日本きのこ図版 No.698) は,肉および管孔が傷を受けたとき変色しないかまたは僅かに 青変するとされており,邦産の同定にはやや疑問が残る. 
 クロコウジタケ(青木実:日本きのこ図版 No.889) Boletus sp.: 傘の表面は暗褐色~オリ -ブ黒褐色. 柄の表面は暗褐色. 管孔は傷時褐変する.肉は傘において黄色,柄において暗褐色を呈する. 担子器は著しい大型(50-59 x 12.5-15 μm). 担子胞子は 9-12 x 5-6 μm. アカマツをまじえた広葉樹林内に発生. 分布:日本(埼玉県所沢市). データは青木実氏の日本 きのこ図版 No.889による.   青木実氏により非公式に記載された種類であるが, アワタケ型の子実体の類型を持ち, 肉 が空気に触れたとき褐変し青変性を欠く点から判断して, 本亜節に所属する未記載種と思わ れる.
 
 ニセイロガワリ節 Sect.2. Pseudoboleti (Singer) Smith & Thiers, Boletes of Michigan  302. 1971. 
  基準種: Boletus badius (Fr.) Fr., Trans. Am. phil. Soc. 2(4): 155 (1832). 
 傘の表面は平滑で湿時粘性.その他の性質はアワタケ節と同じ.本節の基準種 Boletus badius の傘表面はアンモニア水により速やかに暗青色に変わるとされている (Singer 1986).
 
  種の検索表
  
1.傘の表面は,肉桂色,栗褐色,チョコレ-ト色等 柄の表面は淡褐色. 肉および管孔は傷 を受けると弱く青変する. ・・・ ニセイロガワリ (?)Boletus badius 
1.傘の表面は暗赤褐色~黒褐色. 柄の表面は上部黄色,下部帯赤褐色. 肉および管孔は傷を受けると強く青変する.  イロガワリ Boletus pulverulentus
 ニセイロガワリ (?)Boletus badius (Fr.) Fr., Trans. Am. phil. Soc. 2(4): 155 (1832), sensu  Imazeki & Hongo, Col. Ill. Fungi Jap. 1: 84. (1957).
Current Name: Imleria badia (Fr.) Vizzini, Index Fungorum 147: 1 (2014)
  所産に関する正確なデータが乏しいため確認を要する. 分布:欧州,北米,アフリカ,中国, 台湾,日本(?).
  イロガワリ Boletus pulverulentus Opat., Vergl. Morph. Biol. Pilze 2: 27 (1836). 
Current Name: Cyanoboletus pulverulentus (Opat.) Gelardi, Vizzini & Simonini: 1 (2014) 
 Synonymy: Boletus radicans sensu Rea (1922), auct.; fide Checklist of Basidiomycota of  Great Britain and Ireland (2005)
 =Tubiporus pulverulentus (Opat.) Imai{?}, Trans. Mycol. Soc. Japan 8(3): 113 (1968)
 = Xerocomus pulverulentus (Opat.) E.-J. Gilbert, Skrifter udgivet af Videskabsselskabet i  Christiania: 116 (1931). 
  Misapplied name: Boletus badius, sensu Kawamura, (1929, 1954).  コナラ,クヌギ,クロマツ,ヒマラヤスギ等の樹下に発生. 分布:北半球一帯. 
ウラベニイロガワリ節 Sect.3. Luridi Fr., Epicrisis 417. (1838).
  基準種:Boletus luridus Schaeff., Fung. Bavar. Palat. 4: 78 (1774)
    孔口は通常微細~小型 (径 0.5 mm 以下)で, 典型的なヤマドリタケ型の子実体を形成する 点でアワタケ節と異なる; 孔口は一般に管孔内部と異なる色を帯び, 孔口が管孔内部と同色の場合は常に柄の表面に明瞭な網目模様を欠く (この点でアミアシイグチ節と異なる); 柄の表面 は一般に繊細な赤色の網目模様もしくは特徴的な細鱗片や細点を密布する; 傘の表面はしば しば平滑で湿時粘性を表す; 有毒成分を含有するものがある.   イグチ属内において最も多くの分類群を擁し,日本国内では比較的調査の進んでいるグル ープであるが,南西諸島の照葉樹林帯および寒温帯性樹林が分布する本州中部の亜高山帯 から北海道にはまだ多くの不明種が残されている.節内の分類概念は Smith and Thiers (1971)を参考にした.
  近縁群の検索表
 
1.柄の表面は少なくとも上部に細かい(ときに隆起した)赤色の網目模様を表す. 孔口は管孔と色が異なり,帯赤~橙赤色,帯暗赤色,帯橙黄色など.・・・・・・・・・ ウラベニイロガワリ近縁群 Stirps Luridus
1.柄の表面は明瞭な網目模様を欠く. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
2.孔口は管孔と色が異なり,コゲ茶色,暗褐色,黄褐色等を呈し,赤色または橙色を帯び ない.・・コゲチャイロガワリ近縁群 Stirps Vermiculosoides
2.孔口は赤~橙赤色,暗赤色,橙黄色を帯びるかまたは管孔と同色.・・ アメリカウラベニイロガワリ近縁群 Stirps Subvelutipes
 コゲチャイロガワリ近縁群 Stirps Vermiculosoides 
            
  種の検索表
 
1.柄の根元は黄褐色のあらい綿毛状菌糸を有する. 子実体の表面は焦茶色を呈する. 柄の表面は暗色の細鱗片で被われる. 肉は空気に触れると速やかに強く青変する. ・・・・・・・・コゲチャイロガワリ B. brunneissimus
1.柄の根元の菌糸は上記と異なる. ・・・・・・・・・・・ 
 2.傘の表面はくすんだ焦茶色を呈し,強く擦ると暗赤褐色に変わる. 柄の表面は上部黄色,  下部赤色を呈し,暗色の細点を密布する. 孔口は焦茶色. 肉は空気に触れると速やかに 強く青変する. ・・・・・ クラヤミイグチ B. fuscopunctatus 
  2.傘と柄の表面は焦茶色を呈し,柄の表面は細点を欠く. 孔口は帯褐黄土色. 肉は空気に触れると弱く青変する. 柄の根元はしばしば球根状に脹らむ. ・・・・・・・・・・・・・・・オオコゲチャイグチ B. obscureumbrinus
   
 コゲチャイロガワリ Boletus brunneissimus W.F. Chiu, Mycologia 40(2): 228 (1948) = B. umbriniporus Hongo, J. Jap. Bot. 44: 235. (1969).
Current Name: Neoboletus brunneissimus (W.F. Chiu) Gelardi, Simonini & Vizzini, Index  Fungorum 192: 1 (2014)
  シイ,アラカシ等の樹下に発生. 分布:日本(関東以西). 日本から記載された Boletus umbriniporus Hongo と中国産 Boletus brunneissimus W.F. Chiu との同一性に関しては再検討 を要する(Wang & Liu 2002).(参考文献: Wang, X.-h.; Liu, P.-g.: Wang, X.-h.; Liu, P.-g. Notes on several boleti from Yunnan, China. Mycotaxon 84: 125-134. 2002)
 クラヤミイグチ B. fuscopunctatus Hongo & Nagas., Rept. Tottori Mycol. Inst. 14: 85.  (1976): モミ・シイ林内に発生. 分布:日本(鳥取). 
 オオコゲチャイグチ B. obscureumbrinus Hongo, Mem. Fac. Educ., Shiga Univ., Nat. Sci.  18: 49. (1968): アカマツ・コナラ林内,ツブラジイ,アラカシ等の樹下に発生. 分布:西日本. 
 
 アメリカウラベニイロガワリ近縁群 Stirps Subvelutipes
   種の検索表
1.孔口は黄色~オリ─ブ黄色で管孔と同色.・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
1.孔口は赤色~橙赤色,橙色,褐色等を帯び, 管孔と色が異なる. ・・・・・・・・ 
 2.柄の表面は褐色~赤褐色の染みを散在する.傘の表面は淡黄褐色または淡褐色~黄土色.・・・ 
 2.柄の表面は上記のような染みを欠く.傘の表面は赤褐色~錆褐色,暗赤色,暗褐色等・・・・・ 
3.傘の表面は淡黄褐色. 柄の表面は幼時白色のち汚黄色~淡黄褐色になり,赤褐色の点状の染みを表し,基部は黄色を帯びる. 肉は空気に触れると弱く青変する.・・・・・・・ ドクヤマドリ Boletus venenatus
3.傘の表面は淡褐色~黄土色. 柄の表面は淡黄色を呈し,成熟すると所々褐色を帯びる.    肉は淡黄色を呈し,空気にふれると濃い黄色に変わる. ・・・・・・・・・・・・・・サザナミイグチ Boletus subcinnamomeus  
  4.肉および管孔は傷つくと強く青変する. 傘の表面は赤褐色~錆褐色. 柄の表面は黄色地に赤褐色の細点を密布する.・・・ミヤマイロガワリ Boletus sensibilis var. sensibilis
  4.肉および管孔は傷つくと弱く青変する. ・・・・・・・・・・・・・ 
5.傘の表面は帯紫赤褐色,黄褐色,淡褐色~暗褐色など. 子実層托は柄に向かって直生または垂生し, 管孔は傘肉の厚さに比べて著しく短く, 長さ 3-6 mm. 柄の表面は黄色を帯び,帯褐赤色の細点を密布する. ・・・・・・ニセアシベニイグチ Boletus pseudocalopus
5.傘の表面は暗赤色. 子実層托は柄の周囲においてやや陥入し,管孔は長さ 5-10 mm. 柄の柄の表面は上部黄色, 下部暗赤色. ・・・・・・・・・ニシキイグチ(?)Boletus bicolor
  6.孔口は橙黄色. 傘と柄は鮮やかな橙色. ・・・・・・・・・・・・・・・・ 
 6.孔口は赤色~橙赤色.傘と柄の色は上記と異・・・・・・・・・・・・ 
7.柄の表面はふけ状の鱗片で被われる. 東南アジア,ニュ-ギニア産. ・・・・ Boletus rufoaureus Massee
7.柄の表面は平滑. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ダイダイイグチ Boletus laetissimus
  8. 傘は灰褐色~灰オリ-ブ色. 柄の表面は平滑~やや密綿毛状. ・・・・・・・・・ 9
  8. 傘は帯赤褐色~暗褐色. 柄の表面は黄色の地に暗赤色の細点を密布する. ・・・  10
9.  柄の表面はほぼ平滑~やや密綿毛状で下方に向かって黒褐色を帯びる. 肉は空気に触  るとゆるやかに赤変且つ青変する. 管孔は傘肉の厚さに比較して幅が著しく短かい. 傘表皮の色素は細胞内(intracellular)に存在する. 担子胞子は 6.5-9×3.5-4 μm. ・・・ナンヨウウラベニイグチ Boletus bannaensis
9. 柄の表面はしばしば頂部に紅色の網目模様を表し,上部ピンク色,下部淡黄色. 肉は赤変性を欠く. 管孔の長さは傘肉とほぼ同等. 傘表皮の色素は細胞間(intercellular)に存在する.担子胞子は 9.5-12 x 4.5-5.5 μm (Hongo, 1967 a). ・・・・・・・・・   ナガエノウラベニイグチ Boletus quercinus
 10.柄の基部は暗赤色~錆赤色の粗い毛状菌糸で被われる. 傘の表面は一般に黄褐色~赤褐色.担子胞子は 14-18(-20) x 5-6.5(-8) μm (Smith and Thiers 1971).・・・・ アメリカウラベニイロガワリ Boletus subvelutipes f. subvelutipes
 10.柄の基部を被う菌糸は黄色. 傘の表面は一般に暗褐色. ・・・・・・・・・・・・ 11
11.担子胞子は 12-18 x 4.5-6 μm (今関・本郷 1957).・・・・  オオウラベニイロガワリ Boletus luridiformis var. luridiformis
11.担子胞子は 9.5-15 x 4-5.5 μm (Hongo 1973). ニュ-ギニア産. ・・・  Boletus erythropus var. novoguineensis Hongo, (1973)
 ニセアシベニイグチ Boletus pseudocalopus Hongo, Mem. Fac. Educ., Shiga Univ.,  Nat. Sci. 22: 66 (1972).
Current Name: Baorangia pseudocalopus (Hongo) G. Wu & Zhu L. Yang, in Wu, Zhao, Li,  Zeng, Feng, Halling & Yang, Fungal Diversity: 10.1007/s13225-015-0322-0, [4] (2015).
  ブナ科を中心とする林内地上に発生. 分布:日本 (本州, 九州), 韓国. 
    ニシキイグチ(邦産疑問種)Boletus bicolor Peck, Rep. N.Y. St. Mus. nat. Hist. 24: 78  (1872).
Current Name: Baorangia bicolor (Kuntze) G. Wu, Halling & Zhu L. Yang, Index Fungorum  231: 1 (2015).
  傘と柄の表面は暗赤色を呈し,外観はコウジタケを大きくしたように見えるが, 系統的には ニセアシベニイグチに最も近縁と考えられる.北米には孔口が橙赤色を帯びる本種の1変種 
Boletus bicolor var. borealis A.H. Sm. & Thiers, (1971) (Weber and Smith 1985)が知られてい る.分布:北米,日本(東京高尾山?).  
  邦産については確実な標本に基づく正確な記載発表がまだされていない. 日本産イグチ科検索表Ⅱ (高橋 1993) において東京都八王子市高尾山で採集された標本 (TUAT-681)に基づきニシキイグチの和名をつけた種類については同定に疑問があり, 追加標本を再検討する必要がある.
  ミヤマイロガワリ Boletus sensibilis var. sensibilis Peck, Ann. Rept. N. Y. State Mus.  32: 33 (1879): ブナ科及びマツ科の樹下に発生. 分布:北米東部,日本(本州).少なくとも東京 高尾山および神奈川県小田原(KPM-NC0008738)で採集された標本は, 傘の表面が湿時顕著
な粘性を示し表皮組織がゼラチン化する点において, 本種の1変種として北米から報告された  Boletus sensibilis var. subviscidus A.H. Sm. & Thiers, (1971)にむしろ近いと思われる.
  サザナミイグチ Boletus subcinnamomeus Hongo, Mem. Fac. Educ., Shiga Univ., Nat.  Sci. 27: 24 (1977): コナラ・クヌギ林内に発生. 分布:日本(滋賀). 
  ドクヤマドリ Boletus venenatus Nagas., Rep. Tottori Mycol. Inst. 33: 2 (1996) [1995]
Current Name: Neoboletus venenatus (Nagas.) G. Wu & Zhu L. Yang, in Wu, Zhao, Li,  Zeng, Feng, Halling & Yang, Fungal Diversity (2015).
  コメツガ, シラビソなどの寒温帯性樹林内地上に発生. 分布: 日本 (本州中部の亜高山帯,  北海道). 胃腸障害を引き起こす有毒種.
 ダイダイイグチ Boletus laetissimus Hongo, Mem. Fac. Educ., Shiga Univ., Nat. Sci. 18:  49 (1968)
Current Name: Crocinoboletus laetissimus (Hongo) N.K. Zeng, Zhu L. Yang & G. Wu,  Phytotaxa 175 (2014) (Obligate or homotypic synonyms).
  ブナ科の樹種を中心とする林内地上に発生. 分布:日本(本州, 九州). 
     オオウラベニイロガワリ Boletus luridiformis var. luridiformis Rostk., in Sturm,  Deutschl. Fl., 3 Abt. (Pilze Deutschl.) 5: 105 (1844)
Current Name: Neoboletus luridiformis (Rostkovius) Gelardi, Simonini & Vizzini, Index  Fungorum 192: 1 (2014). 
Synonymy: Boletus erythropus sensu auct. mult.; fide Checklist of Basidiomycota of Great Britain and Ireland (2005)
 = Boletus luridiformis Rostk., in Sturm, Deutschl. Fl., 3 Abt. (Pilze Deutschl.) 5: 105 (1844)  これまで本種の学名として用いられてきた B. erythropus (sensu auct. mult.)は, 現在では B. luridiformis の異名とされている. コナラ,クヌギ等の樹下に発生. 分布:欧州,北米,台湾,
日本. 
    アメリカウラベニイロガワリ Boletus subvelutipes f. subvelutipes Peck, Rep. N. Y. State Mus. 2: 142 (1889), Misapplied name: Boletus erythropus ss. auct. jpn.: ブナ科の樹種を中心とする林内地上に発生. 分布:北米,台湾,日本. 従来国内の図鑑においてオオウラベニ
イロガワリとして同定されてきた多くのものは本種と思われる. 両種の区別に関しては今後詳 細なデータに基づく再検討を要する.
   ナンヨウウラベニイグチ Boletus bannaensis Har. Takah., Mycoscience 48: 90-99 (2007) : 石垣島バンナ岳のスダジイ,オキナワウラジロガシ林内に発生.
    ナガエノウラベニイグチ Boletus quercinus Hongo, Mem. Fac. Educ., Shiga Univ., Nat. Sci. 17: 92. (1967): 日本産ナガエノウラベニイグチは形態学的に北米産 Boletus firmus Frost 
『Current Name: Caloboletus firmus (Frost) Vizzini, Index Fungorum 146: 1 (2014)』に極めて類似しており, 両種の区別に関しては今後詳細なデータに基づく再検討を要する. アカマツ,コナラ,クヌギ,クリ, シイ等の樹下に発生. 分布:本州, 九州, 沖縄県石垣市 (KPM-NC0013137). 
 ウラベニイロガワリ近縁群 Stirps Luridus 
 
  種の検索表
1.傘の表面は濃い暗赤色~血赤色またはバラ色. ・・・・・・・・・・・ 
1.傘の表面は上記以外の色を呈する. ・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
 2. 傘は最初灰白色, 間もなく全体に濃赤色~バラ色を帯び, 成熟すると黒褐色の細鱗片を表し, 粘性を欠く. 柄は傘と同色で通常上部を中心に繊細な網目模様を表す. ・・・・・・・・・・・・・ バライロウラベニイロガワリ Boletus rhodocarpus
  2.傘は最初から濃い暗赤色~血赤色を帯び, 湿時粘性. ・・・・・・・ 3
3. 柄の表面は暗赤色を呈し,最初全面に細かい網目状隆起を表し, 成熟すると下半部を中心  に粗大な亀裂を生じ, ササクレ状をなす. 亜高山帯の針葉樹林内に発生.・・・・・・・・・・・・・・ アカネアミアシイグチ Boletus kermesinus 
3.柄の表面は黄色地に赤色の細点を密布し,上部を中心に繊細な赤色の網目模様を表す.   コナラ、クヌギなどの落葉広葉樹林内に発・・・・・・・・・・ ヒイロウラベニイロガワリ Boletus generosus 
  4.柄の表面は網目模様欠くかまたは頂部のみに繊細な網目模様を表し,上部ピンク色,下部淡黄色. 傘の表面は灰オリ-ブ色~淡黄色. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ナガエノウラベニイグチ Boletus quercinus
  4.柄の表面は通常上半分を中心に明瞭な網目模様を表す. ・・・・・・ 5
5.傘の表面は表面は微毛に被われ, 湿時著しく粘性を帯び, 全体に赤褐色~紫褐色. 孔口は管孔よりやや濃色または時に柄の周囲において部分的に暗赤色を帯びる. ・・・・・・・・・・・・・・・・・ヌメリイロガワリ Boletus viscidipellis 
5.傘の表面は粘性および微毛を欠き, オリ-ブ灰白色またはオリ-ブ褐色~黒褐色. 孔口は全体に橙赤色~暗赤色を帯びる.・・・・・   6
6.傘の表面はオリ-ブ灰白色. 柄の基部は通常球根状に脹らむ・・・・・・・・・・・・・・ ウラベニイグチ (?) Boletus satanas 
6.傘の表面はオリ-ブ褐色~黒褐色. 柄はほぼ上下同大または下部に向かってやや太まる・・・ ウラベニイロガワリ (?) Boletus luridus
    
 ウラベニイグチ (邦産疑問種)Boletus satanas Lenz, Schwamme Mitteldeutschl.: 67  (1831), ss. Kawamura, Icones of Japanese Fungi 2: 268. 1954-55; Excluded: ss. Imazeki &  Hongo, Col. Ill. Fungi Jap. 2: 99. 1965. 
Current Name: Rubroboletus satanas (Lenz) Kuan Zhao et Zhu L. Yang, Phytotaxa 188:  70 (2014).  Singer (1967)によれば, 欧州産 B. satanas の子実体は肉や玉葱が腐敗した時のような不快臭を発するとされている. 分布:欧州,中国,北米(カリフォルニア?), 日本(?). 邦産につい ては川村博士(1954)の記載を除き, 残念ながら現在までのところ確実な標本に基づく詳細な報 告はされていない.
 ウラベニイロガワリ (邦産疑問種) Boletus luridus Schaeff., Fung. Bavar. Palat. 4: 78  (1774).
Current Name: Suillellus luridus (Schaeff.) Murrill, Mycologia 1 (1): 17 (1909).
  所産に関する正確なデータが乏しいため確認を要する. 分布: 欧州,北米,中国,日本(?). 
 ヒイロウラベニイロガワリ (青木実:日本きのこ図版 No.1090)Boletus generosus Har. Takah., Trans. mycol. Soc. Japan 29: 115 (1988) : コナラ・クヌギ林内に発生. 分布:日本(東 京,神奈川, 埼玉, 兵庫?). 
 バライロウラベニイロガワリ Boletus rhodocarpus Uehara & Har. Takah., Mycoscience 42: 347 (2001): コメツガ, シラビソなどの寒温帯性樹林内地上に発生. 分布: 日 本 (本州中部の亜高山帯, 北海道?). 胃腸障害を引き起こす有毒種と言われている.
  アカネアミアシイグチ Boletus kermesinus Har. Takah., Taneyama, & Koyama,  
(Mycoscience Volume 52, Online First Article, 2011): 7月~10月上旬, コメツガ, シラビソ, オオ シラビソを主な構成樹種とする本州中部の亜高山帯の針葉樹林内地上に発生.
    ヌメリイロガワリ Boletus viscidipellis Har. Takah., Degawa & Taneyama, Mycoscience 
Volume 54, 2013, in press: コナラ, クヌギ, スダジイなど主にブナ科の樹木からなる広葉樹林内
地上に孤生~散生. 分布: 日本 (東京, 神奈川).
ウラベニイロガワリ節を系統的に再構成した新属の検索表※1
(分子系統において単系統群を形成するウラベニイロガワリ節の分類群)
1. 子実体は全体に暗紫褐色~チョコレート褐色を帯びる; 柄の表面は小鱗片状; 胞子紋は
  赤褐色. 
  → ウラグロニガイグチ属 Sutorius
  ウラグロニガイグチSutorius eximius (Peck) Halling, Nuhn & Osmundson
1. 上記と異なる.
2. 孔口は管孔と同色 (C. firmus は例外).
  →3
2. 孔口は管孔と色が異なり,帯赤~橙赤色,帯暗赤色,焦げ茶色, 暗褐色, 帯橙黄色など (ド
  クヤマドリは例外).
  →4
3. 管孔は肉の厚さに比べて相対的に幅が狭い(1/3-1/5); 傘表皮組織は錯綜した毛状被を形
  成する.
  → ニセアシベニイグチ属 Baorangia 
  ニセアシベニイグチ Baorangia pseudocalopus (Hongo) G. Wu & Zhu L. Yang, in Wu, Zhao, 
  Li, Zeng ※2
  ニシキイグチBaorangia bicolor (Kuntze) G. Wu, Halling & Zhu L. Yang (邦産疑問種)※3
3. 管孔は上記より厚い; 肉は淡黄色~ほぼ白色で, しばしば苦みがある.
  → アシベニイグチ属 Caloboletus (アシベニイグチ節 Sect.5. Calopodes※4
  アシベニイグチ Caloboletus calopus (Pers.) Vizzini
  モウセンアシベニイグチ Caloboletus panniformis (Taneyama & Har. Takah.) Vizzini
  Caloboletus firmus (Frost) Vizzini (ナガエノウラベニイグチ類似種, 北米産)
4. 子実体はボレトクロキンポレイン色素(boletocrocin polyene pigments)を含み全体に鮮やか
  なオレンジ色を呈する.
  → ダイダイイグチ属 Crocinoboletus
  ダイダイイグチ Crocinoboletus laetissimus (Hongo) N.K. Zeng, Zhu L. Yang & G. Wu
4. 上記と異なる.
  →5
5. 傘の表面は赤色~暗赤色.
  →6
5. 傘の表面は黄褐色, 赤褐色, 褐色, 暗褐色など.
  →7
6. 柄の表面に顕著な網目状隆起を形成する.
  →Exsudoporus
  アカネアミアシイグチ Boletus kermesinus Har. Takah., Taneyama, & Koyama
  Exsudoporus frostii (J.L. Russell) Vizzini, Simonini & Gelardi (アカネアミアシイグチ近
  縁種, 北米産)
6. 通常柄の上部に橙赤色の繊細な網目模様を表す; 菌糸は非アミロイド.
  →Rubroboletus ※5
  ウラベニイグチ Rubroboletus satanas (Lenz) Kuan Zhao et Zhu L. Yang (邦産疑問種)
  ヒイロウラベニイロガワリ Boletus generosus Har.Takah.
  Rubroboletus dupainii (Boud.) Kuan Zhao & Zhu L. Yang (ヒイロウラベニイロガワリ近縁種, 
  欧州産)
  Rubroboletus latisporus Kuan Zhao & Zhu L. Yang (ヒイロウラベニイロガワリ近縁種, 中国南
  西部産)
  バライロウラベニイロガワリ Boletus rhodocarpus Uehara & Har. Takah.※6
7. 柄の表面は黄色~褐色の網目模様を表す; 菌糸は強アミロイドに染まる.
  →Suillellus
  ウラベニイロガワリ Suillellus luridus (Schaeff.) Murrill (邦産疑問種) 
7. 柄の表面は頂部を除き明瞭な網目模様を欠き, 淡黄色の鱗皮または橙赤色, 暗色の細点
  を密布する.
  →Neoboletus
  オオウラベニイロガワリ Neoboletus luridiformis (Rostkovius) Gelardi, Simonini & Vizzini
  コゲチャイロガワリ Neoboletus brunneissimus (W.F. Chiu) Gelardi, Simonini & Vizzini ※7
  ドクヤマドリ Neoboletus venenatus (Nagas.) G. Wu & Zhu L. Yang, in Wu, Zhao, Li, Zeng, 
  Feng, Halling & Yang
※1 この検索表は形態的特徴に基づき人為的に配列したもので, 系統的な類縁関係を必ずし
も反映していません.
※2 ニセアシベニイグチが本属の基準種に指定されている.
※3 Baorangia bicolor (Kuntze) G. Wu, Halling & Zhu L. Yang, Index Fungorum 231: 1 (2015)
Synonymy: 
Baorangia rubelloides G. Wu, Halling & Zhu L. Yang, in Wu, Zhao, Li, Zeng, Feng, Halling &  
  Yang, Fungal Diversity: 10.1007/s13225-015-0322-0, [6] (2015)
Boletus bicolor Peck, Ann. Rep. N.Y. St. Mus. 24: 78 (1872) [1871] 
※4 Singer (1986)の分類概念においてアシベニイグチ節 Sect.5. Calopodes に置かれたバライ
ロアミアシイグチ Boletus peckii アミアシイグチ属 Butyriboletus に転属された (Zhao et
al. 2015). Butyriboletus peckii (Frost)Kuan Zhao & Zhu L. Yang, Phytotaxa 234: 53 (2015)』
※5 Rubroboletus 分岐群はさらに R. pulchrotinctus, R. rubrosanguineus, R. satanas, R.
sinicus を含む系統と R. latisporus, R. rhodoxanthus を含む系統の2つの亜分岐群に分かれ
る. この分岐群は系統的にアシベニイグチ属 Caloboletus の姉妹グループとされている (Zhao 
et al. 2014).
※6 種山裕一氏の見解によれば本種はこの位置に転属される可能性があるとのこと.
※7 中国産標本との同一性に関しては再検討を要する.
  Exsudoporus, Rubroboletus, Suillellus, Neoboletus については、再検討を要する邦産疑問種
を含むため, 今後独自の和名を与えるのが適切と思われる.
  上記の検索表に取り上げた邦産既知種を含む諸属の他, ウラベニイロガワリ節に近縁なも
のとして以下のような単系統群を形成する分類群が報告されている.
Cupreoboletus Simonini, Gelardi & Vizzini (2015)
  基準種: Boletus poikilochromus Pöder, Cetto & Zuccherelli 1987.
≡ Suillellus poikilochromus (Pöder, Cetto & Zuccherelli) Blanco-Dios, Index Fungorum 
211: 1, 2015.
Boletus pulverulentus f. reticulatipes Cetto s. Cetto, I Funghi dal Vero 4:476 (n. 1561), 
1983. (nom. inval. Art. 39.1 Melbourne) [non Cetto, 1000 funghi. Vol. 2: 376, 1982, nom. inval. 
Art. 39.1 Melbourne = Alessioporus ichnusanus (Alessio, Galli & Littini) Gelardi, Vizzini & 
Simonini].
Boletus martaluciae Pacioni, Micol. Veget. Medit. 11: 91, 1996.
  子実層托は微小な針形結晶物を染みだす; 子実層にKOHにより鮮黄色を呈する偽シスチジ
アが存在する. 欧州産の単型属. イロガワリを基準種とする Cyanoboletus に近縁. 
Imperator G. Koller, Assyov, Bellanger, Bertéa, Loizides, G. Marques, P.-A. Moreau, 
J.A. Muñoz, Oppicelli, Puddu & F. Richard (2015)
  基準種: Boletus torosus Fr. 1835
  強い青変性があり, 柄の上部に橙赤色, 黄色, 帯褐色の繊細な網目模様を表し, 柄の根元付
近の肉は成熟時赤紫色を帯びる. 欧州産. 形態的にはRubroboletus 属と共通点が多い.
  所属種: I. luteocupreus; I. rhodopurpureus; I. torosus.
Lanmaoa N.K.Zeng & Zhu L.Yang (2015)
  基準種: Lanmaoa asiatica G.Wu & Zhu L.Yang (2015)
  管孔は肉の厚さに比べて相対的に幅が狭く(1/3-1/5), 通常明瞭な網目模様を柄の表面に形
成せず, 傘表皮組織は一般に錯綜した毛状被を成す. ニセアシベニイグチ属 Baorangia との
形態的な相違が不明瞭な分類群.
  所属種: L. angustispora; L. asiatica; L. carminipes; L. flavorubra; L. fragrans; L.
pseudosensibilis; L. roseocrispans.
参考文献
1. Arora D. & Frank J. L. 2014. Clarifying the butter boletes: a new genus, Butyriboletus, is 
  established to accommodate Boletus sect. Appendiculati, and six new species are 
  described. Mycologia. 106(3): 464-480
2. Gelardi M, Simonini G, Ercole E, Davoli P and Vizzini A. 2015. Cupreoboletus (Boletaceae, 
  Boletineae), a new monotypic genus segregated from Boletus  sect. Luridi to reassign the 
  Mediterranean species B. poikilochromus. Mycologia 107(6): 1254-69
3. Halling, RE; Nuhn, M; Fechner, NA; Osmundson, TW; Soytong, K; Arora, D; Hibbett, DS; 
Binder, M. 2012. Sutorius: a new genus for Boletus eximius. Mycologia. 104(4): 951-961
4. Nuhn ME, Binder M, Halling R, Taylor A, and Hibbett D. 2013. Phylogenetic overview of the 
  Boletineae. Fungal Biol 117(7-8): 479-511
5. Wu G, Zhao K, Li YC, Zeng NK, Feng B, Halling R, Yang ZL. 2015. Four new genera of the
  fungal family Boletaceae. Fungal Diversity. doi:10.1007/s13225-015-0322-0.
6. Zhao K, Wu G & Yang Z. L. 2014. A new genus, Rubroboletus, to accommodate Boletus
  sinicus and its allies. Phytotaxa 188: 61-77
7. Zhao K, Wu G, Halling R, Yang ZL. 2015. Three new combinations of Butyriboletus 
  (Boletaceae). Phytotaxa 234 (1): 51-62.

アミアシイグチ節 Sect.4. Appendiculati Konr.& Maubl.
  基準種:Boletus appendiculatus Schaeff., Fung. Bavar. Palat. 2: tab. 130 (1763)
  肉は通常淡黄色~黄色, 一般に青変性がある; 子実層托は黄色; 柄の表面は上部を中心
に常に繊細な網目模様を表す; 孔口は微細~小型 (径 0.5 mm 以下)で通常管孔内部と同色
傘の上表皮層は一般に柵状毛状被 (trichodermial palisade)または緩く錯綜した毛状被を成
し, 稀に膨大したほぼ等径の細胞が連なった菌糸からなる短細胞被を形成する.    
  ミヤマアミアシイグチ Butyriboletus appendiculatus (Schaeffer) D. Arora & J.L. Frank を基
準種として本節を独立属とするアミアシイグチ属 Butyriboletus が提唱された (Arora and 
Frank 2014). 
  参考文献: Arora D and Frank JL. 2014. Clarifying the butter boletes: a new genus, 
Butyriboletus, is established to accommodate Boletus sect. Appendiculati, and six new 
species are described. Mycologia 106(3): 464-80
 
  種の検索表
 
1.子実層托は極めて短く 3 mm以下. 柄は上部を中心に繊細な網目模様を表し, 通常下方に向かって膨大化し, しばしば片膨れ状を成す. 肉は空気に触れると即座に濃く青変する. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ホテイイロガワリ Boletus ventricosus 
1.子実層托は上記より長い. ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
2.肉は青変性を欠く.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
2.肉は青変性を有する. ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
3.傘の表皮組織は円柱形の菌糸細胞からなる毛状被.傘と柄の表面は黄金色~黄金黄土色を呈する.  コガネヤマドリ Boletus aurantiosplendens
3.傘の表皮組織はやや膨大したほぼ等径の細胞が連なった菌糸からなる短細胞被. 傘と柄の表面は芥子色を呈する ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
  4.担子胞子は 9.5-11(-12) x 4-4.7(-5) μm (Corner, 1972). マレ-シア,シンガポ-ル産・・・Boletus sinapicolor f. sinapicolor Corner
  4.担子胞子は 11-14 x 4.5-5.5 μm (Hongo, 1980). ・・・・ ヨゴレキアミアシイグチ Boletus sinapicolor f. japonicus 
5.傘の表面はピンク色~帯紫淡紅色または帯紅赤色. ・・・・・・・  6
5.傘の表面は上記以外の色を呈する. ・・・・・・・・・・・・・ 8
 6.柄は帯褐赤色を帯びる. 肉は乾燥したタマネギ臭を発する. 子実層托は相対的に短く  6 mm 以下. 縁シスチジアは短形で複数の隔壁を持ち, 末端部はやや膨大化する. 柄シス チジアは複数の隔壁を持ち, 狭紡錘形または類こん棒形~類円柱形. ・・ ニオイバライロイグチ Boletus cepaeodoratus 
  6.柄は全体にレモン黄色を呈する. 肉の匂いは上記と異なる. 子実層托は上記より長く一般 に 10 mm 以上. 子実層のシスチジアおよび柄シスチジアは頂部に嘴状突起を持つ紡錘形~フラスコ形. ・・・・・・・・・7
7.傘の表面は明るいピンク色~帯紫淡紅色. 肉および管孔は傷つくと徐々に弱く青変する.
  担子胞子は 12.5-16.5 x 3.7-5 μm (Thiers, 1966) で幅の平均は 4μm以上. ・・・・・アケボノヤマドリタケ (?) Boletus regius
7.傘の表面はバラ色. 肉及び管孔は傷つくと直ちに青変する. 担子胞子は 10-13.5 x 3-3.5
  μm (Hongo 1971)で幅の平均は 3.5μm以下.・・・・・・・・・アカジコウ Boletus speciosus 
  8.肉は空気に触れると直ちに青変し, 濃青色になる.傘の表面は肉桂褐色,柄の表面は最 初黄色, のちしばしば下半部を中心に濃赤色を帯び,上部に赤色の網目模様を表す. ・・・・・・アカアミアシイグチ Boletus pseudoluridus
  8.肉は空気に触れると徐々に青変し, 濃青色にはならない. ・・・・・・ 9
9.傘と柄の表面は灰茶色を帯びる. ・・・・・・・・・  ススケアワタケ Boletus subfuscus 
9.傘の表面は黄褐色または赤褐色.柄の表面は黄色または明るいレモン色. ・・・・・・・・ 10
 10.柄の網目模様は赤色を帯びる. ・・・・・・・・ オオダイアシベニイグチ Boletus odaiensis
  10.柄の表面は明るいレモン色で網目模様は地と同色.・・ ミヤマアミアシイグチ (?) Boletus appendiculatus
    ホテイイロガワリ Boletus ventricosus Taneyama & Har. Takah., Mycoscience Volume 54, 2013, in press: アカマツ (Pinus densiflora), ミズナラ(Quercus crispula), コナラ (Q. serrata) が混交した林内地上に孤生~散生. 分布: 日本 (長野, 新潟). 
 コガネヤマドリ Boletus aurantiosplendens Baroni, T.J., (1998), Bulletin of the Buffalo Society of natural Sciences 36: 245: コナラ,シイ等のブナ科の樹種を主体とする林内地上に 発生. 分布:北米東部,日本. 
 ヨゴレキアミアシイグチ Boletus sinapicolor Corner, Boletus in Malaysia 124. (1972) f. japonicus Hongo, Trans. Mycol. Soc. Japan 21(2): 221 (1980): シイ林内に発生. 分布:日本(滋賀, 熊本). 
 ススケアワタケ Boletus subfuscus Hongo, Trans. Mycol. Soc. Japan 21(2): 221 (1980):アカマツ・コナラ林内に発生. 分布:日本(滋賀). 
 アケボノヤマドリタケ (?) Boletus regius Krombh., Naturgetr. Abbild. Beschr. Schwamme (Prague) 2: 3 (1832)
Current Name: Butyriboletus regius (Krombh.) Arora & J.L. Frank, Mycologia 106(3): 466 (2014).
  本種はアカジコウと混同されている恐れがあり, 所産に関する正確なデータが乏しいため確認を要する. 広葉樹林内に発生. 分布: 欧州,北米,中国,日本(?).
    アカジコウ Boletus speciosus Frost, Bull. Buffalo Soc. nat. Sci. 2: 101 (1874): マツ科ま
たはブナ科の樹下に発生. 分布:北半球温帯を中心に広く分布. 
   ニオイバライロイグチ Boletus cepaeodoratus Taneyama & Har. Takah., Mycoscience Volume 54, 2013, in press: 「北陸のきのこ図鑑」においてニシキイグチ, アジナシアシベニイグチとして掲載されている種については, 科博に収められた両種の標本を検討した種山裕一氏によるとニオイバライロイグチと形態学的に良く一致し, 同一種と見なすのが妥当とされている. アカマツ, クヌギ, ミズナラ, コナラが混交した林内地上に孤生~散生. 分布: 日本 (長野, 新潟, 石川).  
 アカアミアシイグチ Boletus pseudoluridus Hongo, J. Jap. Bot. 60(12): 372 (1985) : アカマツ・コナラ林内(大津市大平山)の斜面に発生.分布:日本(滋賀). 
 オオダイアシベニイグチ Boletus odaiensis Hongo, Mem. Fac. Educ., Shiga Univ., Nat. Sci. 23: 39. (1973): 亜高山帯の針葉樹林内に発生. 分布:日本(本州). 
 ミヤマアミアシイグチ (邦産疑問種) Boletus appendiculatus Schaeff., Fung. Bavar. Palat. 2: tab. 130 (1763). 
Current Name: Butyriboletus appendiculatus (Schaeff.) D. Arora & J.L. Frank, Mycologia 106(3): 466 (2014).
  子実体は中~大型(傘は径8~15 cm). 傘の表面は赤褐色を呈し, やや綿毛状, 乾性,成熟とともに細かい亀裂を生じる.肉は空気に触れると徐々に弱く青変する. 柄の表面は明るいレモン色を呈し, 上部もしくはほぼ全面に表面と同色の繊細な網目模様を表す.近縁種オオダイアシベニイグチは柄の表面を被う網目模様が赤色を帯びる点で区別される. 分布: 欧州,北アフリカ,ソ連極東地方,北米(カリフォルニア), 日本 (?) . 
  邦産については確実な標本に基づく正確な記載発表がまだされていない. 山梨県産の標本 (高橋 1993) に基づく本種の同定にはやや疑問があり, 追加標本を詳細に再検討する必要がある.
アシベニイグチ節 Sect.5. Calopodes Fr. sensu str. Singer, (1986).
  基準種:Boletus calopus Pers., Syn. meth. fung. (Göttingen) 2: 513 (1801).   肉はほぼ白色で, 苦みがある; 管孔は傷を受けた時青変する. 柄の表面は一般に上部黄色,下部赤色. 孔口は微細~小型 (径 0.5 mm 以下) で管孔と同色.
  種の検索表
1.傘の表面は通常小鱗片状を成す. ・・・・・モウセンアシベニイグチ Boletus panniformis
1.傘の表面は密綿毛状~ほぼ平滑. ・・・・・・・・  2
  2.傘の表面は最初バラ色を帯びるが間もなく退色して淡黄褐色を呈する. ・・・・・ バライロアミアシイグチ Boletus peckii
  2.傘の表面は灰白色~帯オリ-ブ色. ・・・・・・・・・・・・・ アシベニイグチ Boletus calopus
  
Current Name: Caloboletus panniformis (Taneyama & Har. Takah.) Vizzini, Index Fungorum 146: 1 (2014).
  ウラジロモミ, オオシラビソ, トドマツを主体とする亜高山帯の針葉樹林内地上に孤生~散生. 分布: 日本 (長野, 山梨, 北海道). 
 バライロアミアシイグチ Boletus peckii Frost, Rep. N.Y. St. Mus. nat. Hist. 29: 45 (1878)
Current Name: Butyriboletus peckii (Frost)Kuan Zhao & Zhu L. Yang, Phytotaxa 234: 53 (2015).
  アカマツ・コナラ林内の斜面に発生. 分布:北米東部,日本(滋賀). 
 アシベニイグチ Boletus calopus Pers., Syn. meth. fung. (Göttingen) 2: 513 (1801) 
Current Name: Caloboletus calopus (Pers.) Vizzini, Index Fungorum 146: 1 (2014).
Synonymy: Boletus olivaceus Schaeff., Fung. Bavar. Palat. 4: 77 (1774)
= Boletus pachypus sensu NCL (1960), auct. brit.; fide Checklist of Basidiomycota of Great Britain and Ireland (2005)
= Tubiporus calopus (Fr.) Maire, (1937)  主としてマツ科の樹下に発生する.分布:北半球中北部. 
 
ヤマドリタケ節 Sect.6. Boletus
  基準種:Boletus edulis Bull., Herbier de la France 2: tab. 60 (1782) [1781-82]. 
  肉は白色で非変色性 (少なくとも青変しない, 但し稀に管孔上部の肉が僅かに青変することはある), 味は温和. 柄の表面は平滑または繊細な網目模様を表す. 担子胞子は長形. 傘の上表皮層は短細胞被を形成しない. 管孔は最初白色, のち帯黄色, 一部の種類は緑色を帯びる. 
孔口は微細~小型 (径 0.5 mm 以下)で, 最初白色の薄い菌糸状被膜に塞がれ, 時に僅かに褐色を帯びることがある. シスチジアは無色. 
  種の検索表
 
1.傘の表面は褐色,黄褐色,オリ─ブ褐色,ベ─ジュ色等. ・・・・・・・・・・・ 2
1.傘の表面は上記以外の色を呈する. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
 2.傘の表面は通常周縁部に向かって淡色になり,最初から無毛平滑, 湿時粘性. 柄の表面  は類白色~ベ─ジュ色, 稀に淡褐色を呈し,通常網目模様は上部に限られる. 担子胞子は 14-19 x 4.5-6.5 μm (Alessio, 1985). ・・・・   ヤマドリタケ (?)Boletus edulis 
  2.傘の表面は一般に中央部と周縁部がほぼ同色で, 最初綿毛状のちしだいに平滑になる.  柄の表面は通常淡褐色を帯び,ほぼ全面に網目模様を表す. 担子胞子は 11-16 x 4-5.5 μm (Alessio, 1985). ・・・・・・・・ ヤマドリタケモドキ Boletus reticulatus 
3.傘は暗褐色~黒褐色. ・・・・・・・・・・・・ 4.
3.傘の色は上記と異なる. ・・・・・・・・・・  5.
   4.  柄の表面は傘と同色 (暗褐色~黒褐色). 傘の上表皮層は短形 (膨大しない) の菌糸細胞からなる柵状毛状被 (trichodermial palisade). マツ科の樹下に発生. ・・・・・・・・・・・・・・ ススケヤマドリタケ Boletus hiratsukae
   4. 柄の表面は傘より淡色(淡褐色). 傘の皮層は長い円柱形の菌糸細胞からなる. 主にブナ科の樹下に発生. ・ ススケイグチ (?)Boletus aereus
5. 傘の表面は赤褐色~暗錆褐色. 柄の表面は淡褐色~褐色で, 網目模様は触れたり傷を受 けると暗色に変わる. 欧州,北米,アフリカ(アトラス山脈)産. ・・・・・ Boletus pinophilus Pila't & Dermek, Ceska Mykol. 27(1): 6 (1973) = Boletus pinicola (Vittad.) A. Venturi, (1863)
5. 傘の表面は暗紫色または黄土褐色と暗紫色の斑模様を呈する. 柄の表面は暗紫色. ・・  ムラサキヤマドリタケ Boletus violaceofuscus
   
 ヤマドリタケ (?) Boletus edulis Bull., Herbier de la France 2: tab. 60 (1782) [1781-82]
Synonymy: Boletus edulis f. arcticus Vassilkov, Bekyi Grib: 16 (1966)
= Boletus edulis f. laevipes (Massee) Vassilkov,: 13 (1966)
= Boletus edulis subsp. trisporus Watling, Notes R. bot. Gdn Edinb. 33(2): 326 (1974)
= Boletus edulis var. arcticus (Vassilkov) Hlava'c(ek, Mykologicky' Sborni'k 71(1): 9 (1994)
= Boletus edulis var. laevipes Massee, Brit. Fung.-Fl. 1: 284 (1892)
= Boletus solidus Sowerby, Coloured figures of English Fungi or Mushrooms (London) 3: tab. 
419 (1809)
= Dictyopus edulis (Bull.) Forq., (1890) [1889]
= Leccinum edule (Bull.) Gray, Nat. Arr. Brit. Pl. (London) 1: 647 (1821)
  邦産疑問種. ヤマドリタケモドキまたはアカヤマドリと混同されてきた経緯があり, 所産に関
する詳しい記載データが乏しいため確認を要する. 分布:北半球温帯,アフリカ,オ-ストラリ
ア. 
  ヤマドリタケモドキ Boletus reticulatus Schaeff., 2: 108 (1763)
Synonymy: Boletus aestivalis (Paulet) Fr., Epicr. syst. mycol. (Upsaliae): 422 (1838)
= Boletus edulis f. reticulatus (Schaeff.) Vassilkov,: 18 (1966)
= Boletus edulis subsp. reticulatus (Schaeff.) Konrad & Maubl., 4(fasc. 2): pl. 398 (1926)
= Tubiporus aestivalis Paulet, Traite' sur les Champignons Comestibles (Paris): 371 (1793)  ブナ科またはマツ科の樹下に発生. 分布: 欧州,北米,中国,日本.
 ススケヤマドリタケ Boletus hiratsukae Nagas., Proceedings of the Japan Academy, Series B 70(1): 10 (1994): マツ科の樹種を中心とする林内地上に発生. 分布:日本 (本州, 北
海道). 
 ススケイグチ (?)Boletus aereus Bull., Herbier de la France 9: tab. 385 (1789)
Synonymy: Boletus edulis f. aereus (Bull.) Vassilkov,: 32 (1955)
= Boletus edulis f. aereus (Bull.) Vassilkov,: 19 (1966)
= Tubiporus edulis subsp. aereus (Bull.) Maire, (1937)
  本種はススケヤマドリタケと混同されてきた可能性があり, 所産に関する詳しい記載データが乏しいため今後確認を要する. 分布: 欧州,北米,中国,日本(?).

  ムラサキヤマドリタケ Boletus violaceofuscus W.F. Chiu, Mycologia 40: 210. (1948): 主としてブナ科の樹下に発生. 分布:中国南部,韓国,日本(本州以南). 

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